転職者からすればブラック企業は是が非でも避けたい存在ではないでしょうか。
安定して働いていけない企業では、せっかく転職をしても将来が不安になってしまいますよね。
よく転職サイトにはブラック企業が存在すると言われていますが、噂通りにリスクはあるのでしょうか。
質の悪い企業を回避するにはどうすれば良いのか、転職をする上でのポイントを見ていきます。
目次
ブラック企業の特徴とは?
長時間労働が当たり前
ブラック企業にありがちな特徴と言えるのが長時間労働です。
多少の残業が発生するのは多くの企業に共通するところでもあるのですが、ブラック企業の場合は顕著な長時間労働になることが少なくありません。
月の残業時間が80時間を超えてくると、いわゆる過労死ラインに差し掛かってくるところ、そのボーダーラインをゆうに超えてしまうケースも見られるのです。
100時間以上の労働を強いられた結果、心身に異常をきたし、最悪の場合は仕事が原因で亡くなってしまうこともあるほどです。
長時間労働は改善すべき状況でもあるものの、しかしそれが常態化しているブラック企業も存在します。
支給されるべき残業代が出ない
残業をした場合は、その分の手当をもらえるのが通常ですよね。
労働基準法で決められていますので企業は守らなければいけません。
しかしそれを平気で守らないのがブラック企業の怖いところです。
タイムカードを強制的に押させられたり、あるいは上司などが勝手に押していたりするケースも見られます。
当然サービス残業となるものの、それをいたって普通とする企業体質を持っているのです。
とはいえ、真っ向からルールを破り残業代を支払わないのは、違法労働になり企業にとってのリスクになります。
なおかつ今はブラック企業に厳しい時代にもなりつつありますので、バレにくくするために脱法的に残業代を抑える工夫が行われていることもあるのです。
パワハラの横行
昨今では、パワハラというワードを見たり聞いたりすることが増えました。
権力や立場を利用し、主に部下を相手に嫌がらせをする行為ですが、これが横行しているのもブラック企業の特徴です。
例えばYouTubeやTwitterなどでもパワハラ行為が投稿されるケースも見受けられますが、中には暴力をふるう様子が撮影されたものもあって、社会問題にまで発展した出来事もありますよね。
しかし、こうした表に出てくるのは氷山の一角であり、水面下では今なおブラック企業でのパワハラに苦しむ従業員は少なくないはずです。
転職サイトでブラック企業に当たってしまうわけ
求人を出しやすく人も集めやすい
転職サイトでブラック企業に当たってしまうのは、当然、そうした企業が求人を出しているからです。
ではなぜ転職サイトを利用するのかと言えば、企業からすると利用しやすい広告媒体だからです。
基本的に転職サイトは企業からの掲載料で成り立っており、掲載費用を支払えば堂々と求人を出すことができます。
しかも比較的安価に利用でき、コストを抑えたい企業からしても利便性が高いのです。
しかし、掲載費用の面で言えばハローワークの方が節約はできます。
何と言っても無料で掲載ができるからです。
ただ、ブラック企業の場合は求人を出しても人が集まりにくい傾向がありますので、幅広く募集をするために複数の求人媒体が併用されていることが多々あるのです。
よく考えずに応募をしてしまう
転職サイトは自分で求人を探し、そして自分で応募手続きをします。
セルフで転職活動を行うことになりますが、これもまたブラック企業に当たってしまう理由でしょう。
しっかりと見極めを行った上で応募ができる人なら良いものの、そうではない人もいるはずです。
仕事や給与の条件が合うからと、会社のことを深くリサーチせず応募するケースもあります。
しかし十分に下調べをせずに応募をするのは危険です。
ブラック企業への認識が甘いと被害に遭ってしまう可能性が高まり、転職にも失敗する恐れがあります。
自己防衛意識を高くもって仕事探しをすることが大切ですので、ブラック企業が存在するリスクを踏まえ、慎重な姿勢で転職活動を行いましょう。
情報が少ない中小企業が多い
しっかりと企業の見極めを行った上で応募をすることが大切ですが、ただ中には情報が少ないところも少なくありませんよね。
ホームページがあっても詳細がいまいち分からなかったり、ネットで情報を検索しても出てこなかったりすることもあります。
転職サイトは中小企業からよく利用されていますが、規模が小さい会社ですと実態を掴みにくく良し悪しの判断もしにくいです。
こうなってくると運の要素も絡んできますので、時には運悪くブラック企業に遭遇してしまうこともあるのです。
求人票からブラック企業を読み解こう
給与に幅のある金額を提示している
求人票を見ていると、中には給与帯を幅広く設定しているところもありますよね。
例えば20~80万円など、上下の金額に大きな差があり、上限を見ると比較的高給で転職者からすれば魅力的に思えることもあるでしょう。
これはキャリアや能力などにより、待遇が変化することを意味しているケースもあるのですが、一方では単に見栄えを良くするためにこうした表記にしていることもあります。
後者のパターンの可能性もあることを知り、騙されないように注意が必要です。
実際は下限の額で雇用されてしまいますし、ブラック企業の求人票によく見られる手口なのです。
募集人数がやけに多い
多くの求人では、募集人数を大体1~3名程度に設定していることが多いです。
しかし中には10名以上の規模の大きな募集を出している企業もあります。
しかもこういった企業に限って全体の従業員数は少なく、大規模募集と釣り合っていません。
こうした求人には思惑が隠れていることもあるのですが、例えば応募者の心理的ハードルを下げるためです。
1名だけの募集ですと、応募をする側からすればハードルが高く感じられるところ、10名の募集ならチャンスを感じやすいですよね。
ブラック企業の場合は人が集まりにくいゆえ、大量募集によってハードルを下げ、人をかき集めようとしていることがあるのです。
学歴不問や未経験者歓迎などのフレーズ
中には学歴不問、未経験者OKとしている求人票も見受けられます。
学歴などのハンデがある人からすると有難い条件にも感じるかもしれませんが、不自然さがある募集とも言えるでしょう。
転職者には即戦力を求めるケースが多い中、積極的に間口を広げているだけの理由が隠れていることもあります。
例えば、仕事が辛く人がすぐに辞めてしまうようなところですと、どんどん人を雇い入れるために、学歴不問・未経験者歓迎などの甘いフレーズで誘ってくるのです。
いちから育てていくという真摯な気持ちでそのように書かれている場合もあるかもしれませんが、裏がある可能性についても考えてみることが大切ですね。
しょっちゅう求人を見掛ける
求人そのものをよく見掛ける場合も注意しましょう。
転職活動を始めたばかりですと判断が難しいこともあるかもしれませんが、中には何度も繰り返し求人を出す企業もあります。
人が入ってもすぐに辞めてしまうために頻繁に募集を出しているケースもあり、従業員が定着しないブラック企業の可能性があるのです。
しかもこうした企業に限って前述したような、大量募集をしていることが少なくありません。
常に大量募集をするのは不自然ですし、人が集まらないだけの理由があると見るのが妥当なのではないでしょうか。
転職サイトは危険?転職エージェントが良い?
転職サイトの使い方次第で良くも悪くもなる
確かに転職サイトには、ブラック企業の求人も存在するでしょう。
しかし、だからといって転職サイトの利用が推奨されないわけではありません。
掲載されている求人はブラックばかりというわけではなく、沢山の真っ当な企業からも利用されていますし、運やタイミングが良ければいわゆるホワイト企業と巡り合うこともできるはずです。
大事なのは自分自身がしっかりと求人の良し悪しを見極める目を持つことであり、信頼できる会社なのかを判断の上で応募をすれば、ブラック企業に当たるリスクは大幅に軽減できます。
転職エージェントで仕事探し
転職活動はハローワークや転職サイトを利用する方法ばかりではありません。
その他にも、転職エージェントを活用するという選択肢もあるのです。
大きな特徴は専門のキャリアアドバイザーによるサポートを受けられることです。
ヒアリングを行った上で、あなたにピッタリの仕事を紹介してもらえるほか、転職活動における諸々のサポートを受けることができます。
また、応募企業についての情報提供を受けられるのも魅力でしょう。
自分一人で仕事探しをする場合ですと、その企業のことがいまいち分からないこともありますよね。
その点、転職エージェントは企業についての情報を持っているため、どんな会社なのか、具体的にどのような仕事をするのかなど、詳しく教えてもらうことができるのです。
ブラック企業に当たってしまうリスクを軽減しつつ、理想的な仕事に就ける可能性を高められますよ。
複数のサービスをフル活用
転職サイトにしても転職エージェントにしても、色々なサービスを使ってみるのがお勧めです。
各転職サイトによって異なる求人を掲載していたり、転職エージェントによって違ったサービスを展開していたりなど、それぞれで詳細が違っています。
ひとつのところに絞って利用するよりも、複数のサービスを同時に活用していった方が効率的かつ転職の成功率も高められるはずです。
嬉しいことにいずれも無料で利用できるサービスですので、コストを気にせず積極的に活用していくことができます。
転職活動はやり方が大事
もしもブラック企業に入ってしまうようなことでもあれば、辛い日々を過ごす羽目になるかもしれません。
そのようなリスクを回避しつつホワイト企業への転職を目指すには、自身がどのように仕事探しを行っていくかが大切と言えます。
適当な転職活動では得られる結果もそれなりのものになってしまいますし、結果を出すには相応のプロセスが重要となるのです。
転職サイトや転職エージェントなどを上手に活用しながら、心から満足のできる転職を実現しましょう。