ブラック企業で働くことになってしまってとても辛い思いをする人も少なくありません。
ホワイト企業に転職してもっと気楽に仕事をできるようにしたいと考える人もいるでしょう。
転職活動を円滑に進め、希望する待遇で働ける転職先を見つけるには転職サイトを使うのが良いと知られていますが、ホワイト企業に転職するにはどうしたら良いのでしょうか。
目次
ホワイト企業とはどんな企業か
最初に確認しておきたいのがホワイト企業とはどんな企業かということです。
ブラック企業の対義語としてよく用いられますが、一般的にはどのような待遇の企業のことをホワイト企業と言うのでしょうか。
ホワイト企業は働きやすい企業
この企業はホワイト企業だけれど、あの企業はブラック企業だと簡単に判別できる基準は実は定められていません。
過酷な労働条件になっていて、残業などの時間外手当が支払われるべき仕事をしても手当が出ないなど、労働者が不当な扱いを受けている場合にはブラック企業だと多くの人が納得するでしょう。
ホワイト企業はその真逆に位置すると考えることができますが、具体的にどんな条件を満たしていたらホワイト企業なのかは決めるのが難しいのが実情です。
ただ、どのような文脈で論じられているときにも共通しているのは、ホワイト企業なら働きやすいという点でしょう。
ブラック企業では働くのが辛くて辞めたいと思う人が多いのに対し、ホワイト企業の場合には良い環境が整っていてその職場でずっと働き続けたいと考える傾向が強いのが特徴です。
しかし、やはりどのような環境が整っていれば必ずホワイトとするかの基準を設けるのは容易ではありません。
色々な要素が重ね合わさって働きやすい環境が整えられているのがホワイト企業だからです。
離職率と残業から判断する方法がある
ホワイト企業かどうかを判断する指標は全くないわけではありません。
その職場で従業員が働き続けたいと思うということは離職率が低いと考えられるでしょう。
離職率はほとんどの企業では計算してデータとして持っています。
情報として公開されていることも多いので、離職率を見てどれだけ低いかでホワイト企業かどうかを判断しても良いでしょう。
同様に従業員の平均勤続年数が長いかどうかで判断することも可能です。
一方、ブラック企業で働くのが辛いと言われる理由として多いのが残業に関する問題があることです。
毎月の平均残業時間数が長かったり、その時間数の割に支払われている残業手当が少なかったりすることがあります。
残業が多くて定時通りに働けないとプライベートの計画を立てにくくなり、ワークライフバランスが崩れてしまいがちです。
また、残業をするのは良いと考えられる人でも、その対価として割増の給料をもらえなければ納得できないでしょう。
同じようにして考えられるのが休日出勤や夜勤があることや、その頻度の高さ、そして、労働の対価としての手当の支給額といった点です。
このような指標を用いてもホワイト企業かどうかを判断できるでしょう。
人によってホワイト企業の捉え方が違う
ただ、気をつけておきたいのがホワイト企業とはどんな企業かという考え方が人によって違うことです。
離職率が極めて低い企業でも、何人かの人はブラック企業だと思って辞めてしまったかもしれません。
残業についても、例えば平均残業時間が20時間というのを短いと考えるか長いと感じるかは人によって異なります。
夜勤があるの当然の職種なら、毎週のように夜勤があっても問題ないと考えられるかもしれません。
しかし、一般的に夜勤がない職種なのに夜勤があるとなるとブラック企業と思うでしょう。
逆に夜勤があるはずの職種で夜勤なしの待遇でないとホワイト企業とは思えない人もいるかもしれません。
人によって捉え方が違うから一概に言えないということも念頭に置いておきましょう。
転職サイトでホワイト企業を見つけるのは難しいのか
転職サイトを使って求人を探す方法はホワイト企業を見つけるのに適しているのでしょうか。
転職サイトの仕組みを考慮してホワイト企業からの求人が見つかりやすいかどうかを考えてみましょう。
ホワイト企業の求人は少ない
結論から言えば転職サイトに掲載されている求人の中からホワイト企業を探し出すのは容易ではありません。
もともとホワイト企業からの求人は転職サイトには少ないからです。
企業が人材を獲得する手段として用いているのが転職サイトで、企業から見ると人材紹介会社として利用されています。
必要な能力やキャリアを持っている人材を紹介してくれる便利なサービスですが、人材紹介会社を通して人を雇うと高額な費用が発生してしまいます。
そのため、人材の獲得に苦労している企業からの求人が多いのが特徴です。
人材が入ってこないのは待遇面に何かホワイトとは言えないような部分があり、誰もが喜んで入社したい企業ではないからだという場合が多いでしょう。
ホワイト企業の求人が少ない理由としてもう一つ知っておくと良いのが、離職率が低いのが原因になっているということです。
転職サイトでの人材募集は中途採用がメインになっています。
その募集理由として、退職してしまった人の穴を埋める人材を手に入れたいといったケースは多々あります。
ところが、ホワイト企業では離職率が低いので、なかなかこのような機会がありません。
求人が出てくるのは事業が上手くいって増員したくなった場合や、新しい事業を展開するために戦力になる人材が欲しいときなど、優秀な人材が求められているときに限定されてしまう傾向があります。
ホワイト企業の求人は獲得競争になるのか
ホワイト企業から偶然求人が出ていたというときには獲得競争になるのではないかと考える人もいるでしょう。
それが原因で転職サイトではホワイト企業に転職しにくいと思うかもしれません。
確かにそのようなケースもないわけではありませんが、上述の通り、ホワイト企業からの求人では基本的には即戦力が求められています。
その適任者が簡単に見つかるようであれば企業側もお金を払ってまで人材紹介サービスを利用しないでしょう。
そのように考えると、適任なら採用してもらえるけれど、そうでない場合には競争相手がいなくても採用してもらえないことになります。
ホワイト企業への転職では競争することを考えるよりも、自分が企業から求められている人材になることを目指すのが重要なのです。
ホワイト企業の基準を自分なりに定めよう
転職サイトを使ってもホワイト企業からの求人を手に入れるのは難しいのは確かです。
ただし、一般的に好まれるわけではなく、自分がホワイトだと思える企業だったら見つかる可能性は十分にあります。
どんな基準が満たされていたらホワイトだと感じるかを自分なりに考えてみましょう。
総合的にホワイトな企業を求めず、自分が納得できる企業に転職しようと思えば転職サイトはとても役に立ちます。
ホワイト企業を目指せるかは考え方次第
ホワイト企業に転職したいときにも転職サイトを使うのが良いかというと判断が難しいのが実情です。
転職サイトを使ってもなかなか思ったようには理想的な求人を見つけられない場合もあります。
離職率が低くて残業の問題がないような一般的に好まれる企業はあまり求人を出さず、戦力となる優秀な人材が時々募集されている程度です。
総合的にホワイトな企業を求めるのではなく、自分にとってどんな基準が満たされていればホワイトと感じるかを考えてみましょう。
その基準を満たしている企業の求人を見つけて内定をもらえれば転職は成功と言えるでしょう。