近年、ブラック企業の問題が話題ですよね。
2015年に起きた若い女性社員の自殺の事件が大きく取り上げられていたのを今でも覚えています。
この事件が起きたのは経営の厳しい中小企業ではなく、都内に本社を持つ大手広告代理店の株式会社電通でした。
あまり公にはなりませんが、今でも尋常ではない過酷な業務が行われているブラック企業が多く存在しています。
そもそもブラック企業とは、
「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」「従業員の人権を踏みにじるような全ての行為を認識しつつも適切な対応をせずに放置している企業」
引用 "ブラック企業 - wikipedia"
などの行為を行っている企業のことを指します。
書いてあるように、社員を人間として扱わないような企業のことをいいます。
この記事では、そのような企業のポイントやそのような企業に就職してしまった際の対処方法を紹介したいと思います。
目次
ブラック企業によくある11個のポイント
自分に都合が悪い企業がすべてブラック企業になるわけではなく、明らかな違法行為をしているなどがブラック企業と呼ばれています。
そのわかりやすいポイントを11個にまとめたので参考にしてみてください。
1,有給が取れない
ブラック企業のまず第一の特徴として、有給の申請が通らないというのがあります。
有給休暇は、給料をもらいながら休暇をとれるシステムです。
この有給休暇は社員は決まった日数分社員の都合で利用することができます。
しかしこの有給休暇を何を勘違いしてか会社が管理していることがあります。
もちろん、重要な会議があるので別日に有給休暇を変更してほしいという交渉を会社側はすることができます。
ですが、有給休暇は会社の判断で使えるものではありません。
そのため、有給休暇を申請しても通らない会社はブラック企業です。
2,残業時間がおかしい
仕事は1日8時間の週40時間以上の勤務をしてはいけないことはご存知でしょうか?
本来仕事は残業をしないこと前提で行われるべきです。
それでも残業をせざる負えない会社のために「36協定」というものがあります。
この協定が結ばれている会社のみ残業をすることが可能なわけですね。
しかしこの「36協定」でも1週間に15時間、1ヶ月に45時間を超える残業はしてはいけないと定められています。
それなのに、日本の残業時間の平均は47時間です。
なぜ平均残業時間が法律の時間を超えているかというと、特別な理由がある場合のみ残業時間を延長できる仕組みが「36協定」にはあります。
そのため月に45時間以上の残業が平均になっているということになります。
3,残業代が支払われない
基本的に残業代は時給の25%割増した金額が支払われます。
例えば時給換算で、時給1,000円の会社だった場合、残業代は1時間あたり1,250円支払われるわけですね。
なので残業を多く行った月は給料が多く貰えます。
にもかかわらず、残業代を支払いたくないために給料を支払わず残業を行う、いわゆる「サービス残業」を強要するような企業はブラック企業です。
勤務時間外での勤務や、仕事を持ち帰らせるなど、仕事でない時間に仕事をさせる行為ですね。
労働基準法37条に違反する行為でもあるので、早めに辞めるのが良いと思います。
4,給料がおかしい
例えばですが、東京の最低時給はご存知でしょうか?
現在の東京の最低時給は985円です。
さらに2019年10月には1,013円に引き上げられる予定です。
これは正社員にもアルバイトにも適応されます。
そのため1日8時間の勤務を週5日の4週間で考えると、最低の給料は157,600円になります。
この給料を下回っている場合、それは違法な賃金で働かされていることになります。
働くだけ損なため、そのような会社はやめたほうが良いでしょう。
5,パワハラ・セクハラが横行している
今ではよく聞く言葉になりましたが今でも行われている企業はあります。
パワハラやセクハラが行われているにも関わらず、会社が止めようとしない、周りの人間も見て見ぬ振りをするのはブラック企業です。
セクハラの例としては
- ~さんは彼氏がいるの?
- ~さんてすごく綺麗だよね
など、親しくもない相手にプライベートなことを聞かれることなどです。
パワハラの例としては
- この仕事が終わらないなら休日返上でやれ!
- お前のせいでノルマに行かなかった。お前は減給だ!
など、社員1人に責任を押し付け、不当な解雇や減給などが行われることです。
どちらも社員に恐怖を植え付け、使役しようとしてきます。
このようなことが日常的に行われ、さらに改善しないようならそれはブラック企業の証です。
6,離職率
離職率が高い会社の特徴としては、ここまで說明をしてきたように社員の理不尽な扱いなどがあります。
離職率が高いと言われる目安としては、3年以内に仕事をやめた人の割合が3割を超えることだと言われています。
つまり入社したときに20人いた同期が3年目に14人前後になっていたら離職率は高い方になります。
もちろん退職する理由のすべてが会社に問題があるわけではありませんが、離職率の高い会社は社員の使い捨てを疑ったほうが良いでしょう。
7,会社のマニュアルが整っていない
ここでいうマニュアルは「仕事の行い方」や「社内でのルール」のことを指します。
つまり社内での規律が存在しない会社のことですね。
社内で効率良く、そして気持ちよく働くためにも、共通の認識や知識として社内でのマニュアルを設定する会社も多いです。
捉え方の相違や初歩的なミスを起こさないためにもこのようなマニュアルを整える会社は多いです。
このような会社のルールがはっきりしていない、業務の行い方が確立していない会社は良くない会社といえるでしょう。
8,労働雇用契約書を発行しない 通知しない
労働基準法では、労働者に対して賃金や労働時間、その他の労働条件を明示しなければならないことが定められています。
さらに、「労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする」ということも定められています。
これらのことが記載されている用紙のことを労働雇用契約書というのですが、多くの会社はこの紙を事前に作成しています。
ですがブラック企業では労働雇用契約書の作成どころか存在もしないという場合も少なくありません。
なので、過去に通達などがなかった場合、こちらから問い合わせてみるのが良いでしょう。
問い合わせたのにも関わらず、もらうことができない場合、ブラック企業であることは間違い無いです。
9,休日出勤の常習化
これは社員に休日返上で仕事をすることを強制することですね。
会社が強制をしていなくても休日出勤をしなければ終わらないようなノルマの仕事を押し付けるなどもブラック企業の特徴です。
お客さんの都合などで休日でないとできない仕事もあるかもしれません。
ですがその場合も休日出勤分の給料を支払わなくてはいけません。
ですがブラック企業はこのような賃金を支払うこともなく、時間も場所も関係なく仕事を振ってきます。
公私混同甚だしいのがブラック企業の特徴です。
10,初任給がすごく高い
もちろん優良企業の場合、高い給料で雇ってくれることもあります。
ですが初任給が高いというのは、ブラック企業でもあり得ます。
実際には給料に残業代が含まれてるという場合ですね。
もちろんみなし残業代も含めて給料として記載している会社は多く存在しますが、ブラック企業の場合はこのみなし残業代の枠を超えて仕事をさせます。
金額面では高く見えても実労働に合っているかしっかり確認しましょう。
11,年間休暇数の平均
日本に平均休暇数としては120日になります。
週休完全2日、祝日、年末年始休みなど休みがすべて取れる会社はこの平均と同じぐらい休めていることになります。
しかし法律としては最低週1日または4週4日の休みを与えれば違法ではありません。
しかしこの日数を下回っている場合は必ず違法というわけではないのですね。
それは残業の部分でも出てきた会社が「36協定」を結んでいる場合になります。
この協定を結んでいる場合、休日出勤手当てや残業手当を支払っていれば違法になりません。
ですがもちろん、休日出勤や残業をさせているのに手当を支払わない会社は違法になります。
補足ですが、法定労働時間を限界まで利用しても年間で働くことができる時間は、週40時間を52週なので2080時間となります。
1日8時間働くとすると、260日の勤務が限界となります。
なので休みの最低限は105日というわけですね。
これを下回るようでしたらどこかで残業が発生しており、それに対する残業代が支払われるべきです。
またこれもややこしい話なのですが、会社によってはこの最低休暇日数を大きく下回る場合があります。
それはフレキシブル出社を認めている会社であるなど、特殊な場合のみです。
ブラック企業と分かったときのするべき行動
ここまでブラック企業の特徴を紹介してきました。
これらの特徴に当てはまり、心当たりがあったり、やめたいと感じた方にするべき行動や3つ対処法を紹介していきます。
- 弁護士に相談する
- 他に不満を抱いている社員と協力する
- やめる相談を上司にする
この3つの対処法を詳しく解説していきます。
弁護士に相談する
弁護士に相談したほうが良い場合として、
- 未払いの残業代などを請求したい
- パワハラやセクハラの問題を解決したい
などがあります。
自分で解決しようとするより、労働問題に詳しい弁護士の方に頼んだほうが問題を解決できる可能性は上がります。
特にセクハラ・パワハラなどの問題はあとで何をされるかわからないため怖くて言い出せないかもしれません。
やはり会社の問題を暴くには外部に相談するのがおすすめです。
1人で抱え込まず、とりあえず相談してみるのも良いでしょう。
下で詳しく弁護士について紹介しています。
良ければそちらも御覧ください。
他に不満を抱いている社員と協力する
他に不満を抱いている社員と協力するのは、会社を良い方向に修正するために戦おうと考える人におすすめです。
問題がある部分を解決できるなら同じ会社で働き続けたいと思う人もいると思います。
その場合、協力して反抗するのではなく労働組合に相談することや、労働基準監督署に報告することが望ましいです。
労働基準監督署は労働者からの報告で調査を行うことができます。
しかし発覚した問題の原因が人員不足であった場合、問題の改善はしない可能性が高いです。
会社を辞める
今までひどい仕打ちを受けて、仕事をやめたくなっている方もいるかと思います。
ですがそのような場合に起きる問題が、上司に仕事をやめさせてもらえないという問題です。
会社側も人が減ると困るため、有る事無い事で社員を脅し、仕事を辞める手続きをさせまいとしてきます。
ですが法律では2週間前退職する旨を通知すれば、会社を退職できるようになっています。
退職届が受理されない場合でも、内容証明郵便で送ることで法律的な効力が発生するため、やめれないと悩む必要はありません。
おすすめ相談サイトの紹介
対処法のところでも紹介したように不安な場合には弁護士に相談することをオススメします。
QUEST法律事務所に相談する
会社がおかしいんじゃないか?残業代が少ないのではないかと感じたら1人で取り返そうとせず、やはり残業代請求に強い弁護士に相談するのがおすすめです。
QUEST法律事務所は残業代請求の問題に力を入れています。
資料請求も相談も無料なので、とりあえず相談したいと思ったらQUEST法律事務所に相談するのが良いでしょう。
アディーレ法律事務所に相談する
アディーレ法律事務所は弁護士の相談し辛い雰囲気を取っ払った事務所です。
大手ということもあり、安価での問題解決に力を入れています。
手続きの途中での解約は着手金の全額返金や無料出張相談なども行っており、なるべく利用者の負担を減らすように勤めています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでブラック企業の特徴と実際にブラック企業だった場合にどのように行動するべきかを説明してきました。
最後にこの記事の内容を振り返ってみましょう。
- 有給が取れない
- 残業時間がおかしい
- 年間休暇がおかしい
- 休日出勤の常習化
などは労働者の身体的な疲れとともに精神的にも苦しめてきます。
さらに金銭的な問題として、
- 残業代が支払われない
- 最低時給の話
- 高い初任給の話
などを取り上げました。
これらの問題の対処法としても、
- 弁護士に相談する
- 他に不満を抱いている社員と協力する
- やめる相談を上司にする
などを紹介しました。
もう誰かが守ってくれるわけではありません。これらの対処法で、自分の身は自分で守っていけるようにしましょう。