他の仕事をしたいと考えて求人を探すときには転職サイトを使う人が多くなりました。
仕事の紹介を受けられるのが魅力ですが、それ以外にも多岐にわたるサポートを受けることが可能です。
多額の費用がかかるのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、実際には転職活動に使っても費用は一切かかりません。
どうして転職サイトは無料で使えるのでしょうか。
目次
転職サイトが無料な理由とは
転職サイトは転職をしたいと思っている人が登録すると様々なサポートを受けられるようになっています。
それなのに登録した人は一切費用の負担をする必要がなく、無料 なぜかという疑問を持つ人も多いですが、その実態を確認してみましょう。
転職サイトにはかなりの費用がかかっている
まず前提として押さえておきたいのが、転職サイトが行っているサービスには多額の費用がかかっているという事実です。
サイトを構築して求人情報を掲載するだけであればそれほど費用はかからないで済むかもしれません。
しかし、転職を希望している人に登録してもらい、その一人一人と電話などで面談をして希望の条件をヒアリングし、求人を紹介するという仕事にはかなりの人件費がかかっているでしょう。
さらには履歴書などの添削をしたり、面接の練習に付き合ったりしてくれる場合もあります。
企業とのやり取りも間に立って行っていることも考慮すると何万円も払うべきと言えるほどのサービスを受けていると言えるでしょう。
それでもお金を取られないのには明確な理由があります。
人材を採用した企業から報酬を得ているから
転職サイトの運営は無報酬で行われているわけではありません。
転職しようとしている人からは一切お金を取らず、採用を決めた企業から報酬を受け取ることで運営できているのです。
転職サイトの運営会社は人材紹介サービスを主な業務としているのが一般的です。
企業が求めている人材についての情報や、担って欲しい役割や業務内容を伝えると、その適材を紹介するという仕組みになっています。
企業としては社内の人材をほとんど動かさなくても求人活動を展開できる方法として魅力があり、その対価として報酬を支払っているのです。
人材バンクを大きくするのが重要だから
転職サイトは企業からだけでなく転職を希望している人からもお金を取ることも可能です。
しかし、それを行わずに無料にしているのは登録者をできるだけ確保したいからです。
人材紹介サービスを行うためには企業から求人を出してもらわなければなりません。
競合する転職サイトも多いことを考慮すると、いかにして自社に求人を出してもらうかを考えなければならないでしょう。
その際に登録者が多ければ適任者がすぐに見つかる可能性が高いとアピールできるのです。
また、結果として優れた人材を紹介できると次にまた求人をもらうことができます。
このような形を作り上げられるようにするには人材バンクを大きくすることが重要です。
その方法の一つとして転職しようという人には一切費用がかからないようにしているのです。
企業はなぜお金を払ってまで利用するのか
転職サイトで仕事を探している人からすると、なぜ企業はお金を払ってまで人材紹介サービスを利用するのかと疑問に思うかもしれません。
求人広告を出すだけでも色々な人が応募してきてくれると考えられるでしょう。
その中から適材を探し出せば余計な費用がかからずに済むというのはもっともな考え方です。
そのような考え方もある中で、どうして企業は積極的に人材紹介サービスを使っているのでしょうか。
適材を手に入れられる可能性が高いから
まず第一に挙げられる理由は適材を獲得できる可能性が高いからです。
転職サイトでは転職活動をしている人と直接コンタクトを取り、どんな能力や性格を持っている人なのかを見ています。
どんな人材を求めているかもヒアリングしてくれて、マッチングした上で紹介してくれる仕組みになっています。
最初から技術や知識、経験といった軸で考えても魅力的な人が最初から紹介されることが多いのです。
不満な部分がある場合には他の人を紹介して欲しいと伝えるだけで良いので簡便さも魅力となっています。
要求に応じて人材を探してくれるから
細かな要求に応じて人材を探してくれるのも人材紹介サービスが利用されている理由です。
例えばコストを考えると年収は上限がこの程度までだけれど、この仕事ができる人でないと採用する意味がないという要求があるかもしれません。
あるいは突然退社する人が出てしまい、来月には新しい人材が入ってくれないと困るという場合もあるでしょう。
このような要求に対しても真摯に受け止め、できる限り要望に沿った形で人材を紹介できるように努力してくれます。
転職のために使っている人は条件交渉を依頼することもありますが、同様のことを企業側も行うことが可能です。
結果として理想に近い形で人材を獲得できることが多いのです。
採用活動の手間とコストを省けるから
企業としては採用活動にはかなりの手間とコストがかかります。
その削減が可能というだけでも企業にとっては利用価値があるのが人材紹介サービスです。
新卒の採用とは違って中途採用は一人だけという場合が多くなっています。
しかし、そのために書類を受け付けて内容を確認し、書類選考の合否を伝え、面接の日程調整を行うというのはかなり大変なのは想像に難くないでしょう。
ところが、人材紹介サービスを使えば書類選考をする必要もなさそうな人が紹介されることはなく、日程調整などもほとんど任せられてしまいます。
かかっている手間や人件費を考えるとあまり大きな負担ではないという考え方もあるのです。
報酬の仕組みや相場はどうなっているのか
転職サイトの運営にかかっている費用を想像すると、企業からいくらお金をもらっているのだろうと疑問に思う人もいるでしょう。
料金システムはどのようになっているのでしょうか。
一般的な傾向を把握しておきましょう。
一般的な報酬の仕組みとは
人材紹介サービスを利用した企業は人材の紹介を受けた時点では費用を負担しなくて良いのが一般的です。
契約上、成功報酬型の仕組みになっているのが通例で、紹介された人材と雇用契約を結んだときにだけ費用が発生します。
このような料金システムになっているのも企業側の利用が促されている理由です。
良い人材を紹介してもらえない場合には一切お金を払う必要がないからです。
つまり、企業側は複数の人材紹介会社に依頼して、最初に優秀な人材を紹介してくれたところに報酬を払うということもできます。
早く魅力的な人材を獲得したい企業にとって理想的な料金システムと言えるでしょう。
業界相場はどのくらいか
実際に成功報酬が支払われるときにはどのくらいの金額になるのでしょうか。
会社によって違いはありますが、一般的には契約した人材に与える予定の年収の3割程度が支払われています。
少ないところでも2割程度、多い場合には4割くらいになっていることもあるのが現状です。
年収が高い契約になったときほど、人材は優秀で稀だと考えられ、さらに企業にとっても必要な能力を持っていると考えられるでしょう。
そのため、一人あたりいくらという計算ではなく、年収ベースで報酬が決まる仕組みになっています。
無料ではない転職サイトもあるので注意
転職サイトは無料で使えるものだとわかると、色々なサイトに登録して紹介してもらおうと思うかもしれません。
しかし、中には無料ではない転職サイトもあるので注意しましょう。
企業からの求人をメインに扱って紹介している転職サイトなら大抵は無料で利用できます。
一方、ヘッドハンターなどの紹介をするのが目的の転職サイトの場合には報酬をくれる企業がバックにいないため、収入を別のところから得なければなりません。
その一部を転職サイトの利用者に負担してもらうという形を取っていることもあります。
登録するときには本当に費用がかからないかをよく確認しましょう。
特にハイクラス向けの転職サイトでは有料のところが目立つので気をつけた方が良いと言えます。
逆に報酬がある転職サイトもある
無料で転職のサポートをしてもらえればそれで十分とも言えますが、実は転職サイトの中には転職に成功すると報酬をくれるところもあります。
転職活動を終えてしばらく新しい職場で働いてからもらえる仕組みになっていることが多く、お祝い金という名前になっている場合がほとんどです。
どうしてこのようなお金を転職に成功した人に出しているのでしょうか。
転職のモチベーションを上げるため
お祝い金の最大の目的は転職を決めようという意志を強く持ってもらうためです。
転職サイトとしては転職に成功してもらわないと収入が入りません。
悩んで決められないままになってしまわず、すぐに転職先を決めてくれた方が助かるのです。
お祝い金がもらえるとなると前向きに転職を検討してくれる可能性が高くなるでしょう。
候補枠を広げてもらうため
実はお祝い金は求人の候補枠を広げてもらうのも目的に含まれています。
ちょっと遠くて引っ越さなければならないというときには転職先としてためらってしまうこともあるでしょう。
しかし、お祝い金を引っ越しに当てられると考えると候補として考えてくれる可能性があります。
すると、転職が速やかに決まると期待できるだけでなく、アクセスが悪くて人材を紹介しにくかった企業にもより多くの人を紹介できるようになるのです。
無料だからこそ積極的に活用しよう
転職サイトは企業から報酬を受け取っているので、転職したいと考えている人は無料で利用できます。
後になってから多額の請求をされるようなリスクもなく、様々なサポートを受けられるので積極的に活用しましょう。
そして、高い年収で転職するのに成功すれば、それが転職サイトに対する恩返しになります。
できる限り年収を高くしたいという相談は転職サイトの方から考えても嬉しいものです。
交渉して少しでも高くできれば自分も転職サイトも喜ぶ結果になるということも念頭に置いて、より良い待遇で働けるように転職活動を進めましょう。